なぜ、お腹を整えると
自律神経が変わるのか
深呼吸をしても、リラックスを心がけても、ずっとよくならない。
それは「自律神経そのもの」ではなく、
自律神経を乱している原因がまだ残っているからかもしれません。
一般的な自律神経ケアで
よくならない理由
自律神経の不調に対して、よく勧められるのは「深呼吸」「ストレス管理」「規則正しい生活」。 どれも大切なことですが、それだけでは改善しない方が多いのが現実です。
なぜでしょうか?
たとえば、会社のエアコンが効かなくなったとします。「暑い」と感じて扇風機を回す——それは対症療法です。本当に必要なのは、エアコンの故障原因を見つけて修理すること。
自律神経も同じです。
深呼吸やリラックスは「扇風機」のようなもの。
その場は少し楽になりますが、根本にある「エアコンの故障」を直さない限り、症状は繰り返します。
では、自律神経を乱している「根本の原因」とは何か?
当院は、その答えのひとつが「お腹」にあると考えています。
消化器-甲状腺軸
という視点
あなたの体の中では、見えないところでこんなことが起きている可能性があります。
お腹の環境が乱れる
食事の質の偏り、ストレス、生活習慣の乱れなどにより、腸内の環境が崩れます。すると、本来は外に出ないはずの炎症性の物質が体内に漏れ出しやすくなります。
炎症が広がり、甲状腺に影響する
腸から漏れた炎症性物質は血流に乗って全身を巡ります。特に影響を受けやすいのが甲状腺。甲状腺はあなたの代謝——つまり「体がエネルギーを作る効率」を決める司令塔です。
代謝が落ち、エネルギー不足に
甲状腺の働きが低下すると、体全体のエネルギー産生効率が落ちます。体温が低くなりやすく、疲れやすく、回復が遅い——そんな「低燃費モード」に体が入ってしまいます。
自律神経のバランスが崩れる
エネルギー不足の体は、常にストレス反応が優位な状態になります。交感神経が過剰に働き、不眠・不安・動悸・胃腸の不調——いわゆる「自律神経失調」の症状が現れます。
つまり、お腹の問題 → 甲状腺の機能低下 → エネルギー不足 → 自律神経の乱れ。
この連鎖を、当院では「消化器-甲状腺軸」と呼んでいます。
自律神経の症状は「結果」であって、その奥にはこうした体の連鎖が隠れていることがあるのです。
体のエネルギーが
すべての土台になる
あなたの体の37兆個の細胞は、ひとつひとつが小さな「発電所」を持っています。
この発電所(ミトコンドリア)が効率よく働くことが、健康の基盤です。
エネルギーが十分な体
- 朝すっきり目覚める
- 体温が安定している
- ストレスからの回復が早い
- 自律神経のバランスが安定
- 消化がスムーズ
エネルギーが不足した体
- 朝から疲れている
- 冷えやすい・体温が低い
- 些細なことで消耗する
- 交感神経が常に緊張
- 胃腸の調子が安定しない
エネルギー不足の体は、少ないエネルギーで生き延びるために常に「非常事態モード」に入ります。これがストレスホルモンの増加を招き、さらにエネルギー産生を妨げる——という悪循環です。
この悪循環から抜け出すためには、「自律神経を直接なんとかする」のではなく、「エネルギーを作れる体に戻す」ことが大切だと、当院は考えています。
食べるものが
自律神経をつくる
エネルギー産生の効率は、食べるものの質に大きく左右されます。
特に重要なのが脂肪の質です。
加工された植物油脂
サラダ油、マーガリンなどに多く含まれる多価不飽和脂肪酸は、体内で酸化しやすく、甲状腺の働きやエネルギー産生に影響を与える可能性が指摘されています。
現代の食生活では、知らないうちに大量に摂取していることが多い油です。
質の良い脂肪と十分な糖質
バター、ココナッツオイルなどの飽和脂肪酸は、体内で安定しやすく、エネルギー産生を妨げにくいとされています。また、適切な糖質の摂取は、ストレスホルモンの過剰な分泌を防ぐ助けになります。
当院では施術と併せて、お一人おひとりに合った食事のアドバイスも行っています。
もちろん、食事だけですべてが解決するわけではありません。
しかし、施術の効果を持続させ、体が本来の力を取り戻すためには、「何を食べるか」は無視できない要素です。
東洋医学が
2000年前から知っていたこと
東洋医学には「脾胃(ひい)は後天の本」という言葉があります。
消化器こそが、生まれた後の生命力の源という意味です。
2000年以上前から、東洋医学は「お腹を整えることが健康の基本」と伝えてきました。
東洋医学の知恵
- 脾胃(ひい)——消化・吸収・栄養の配分
- 気血(きけつ)——全身のエネルギーと栄養
- 経絡(けいらく)——体をつなぐネットワーク
現代の視点
- 消化器系——腸内環境・栄養吸収
- 代謝——エネルギー産生・甲状腺機能
- 自律神経——全身の調整システム
当院のアプローチは、この東洋医学の伝統的な知恵と、現代の代謝医学の知見を重ね合わせたものです。
どちらか一方ではなく、両方の視点から、あなたの体に何が起きているのかを立体的に理解することを大切にしています。
なぜ、鍼灸が
この連鎖を断てるのか
鍼灸には、この「お腹 → 甲状腺 → エネルギー → 自律神経」の連鎖に対して、複数のポイントから働きかける力があります。
副交感神経の活性化
鍼の刺激は、過剰に緊張した交感神経を鎮め、副交感神経の働きを高めます。これにより、体が「回復モード」に切り替わりやすくなります。
炎症の抑制
鍼灸には炎症を抑える働きがあることが研究で示されています。腸の炎症を鎮めることで、甲状腺への悪影響を軽減するサポートになります。
消化機能の改善
東洋医学の「脾胃を整える」経穴(ツボ)への施術は、消化・吸収の効率を高め、栄養が体の隅々まで届くことをサポートします。
全身の血流改善
鍼灸による血流改善は、甲状腺を含む内分泌系の働きを底上げし、エネルギー産生の効率を高めることにつながります。
当院では、これらの作用を引き出すために、脈診・舌診による状態把握を行い、あなたの体の今の状態に合わせた経絡治療を行います。
さらに、施術だけでなく栄養面からのアドバイスも組み合わせることで、施術と日常生活の両面から体の変化をサポートします。
当院が考える回復のプロセス
-
1
お腹の環境を整える
鍼灸施術で消化器系の働きを高め、食事の見直しで腸内環境をサポートする
-
2
甲状腺・代謝の働きをサポートする
炎症を鎮め、体のエネルギー産生が正常に戻ることを助ける
-
3
自律神経のバランスが自然と整う
根本が整えば、体が持つ本来の調整力が戻ってくる
もちろん、すべての方にこのパターンが当てはまるわけではありません。
大切なのは、あなたの体で「何が起きているのか」を一緒に探ることです。
「自分の体に何が起きているのか、知りたい」
そう思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。
初診では約90分かけて、あなたの体の歴史を丁寧にたどります。
「なぜ」が見えたとき、回復への道筋も見えてきます。